小学3年生の息子がいます。学校の探究学習には意欲的に取り組んでいますが、周囲が中学受験に向けて塾に通い詰め、難解な計算や暗記に励んでいる姿を見ると、「このままでいいのか」と焦りを感じます。貴校の教育で育つ「考える力」は、将来、偏差値や試験という物差しで評価される世界でも通用するのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
小学3年生。周りが塾に走り出し、難解な計算や暗記に追われる姿を見ると、「うちはこのままでいいのかしら?」と焦るお母さんの気持ち、本当によくわかります。
では、結論から言わせて下さい。
探究で養われる「考える力」こそが、これからの偏差値の世界でも、その先のAI時代でも、場所や時代に囚われない最強の武器になります。
綺麗事抜きで、私たちが大切にしている「教育の質」についてお話ししますね。
IBの初等教育(PYP)で私たちが一番大切にしていることは、「12歳までに、いかに自己肯定感を正しく養い、学びに意欲を持てるか」です。
自分から問いを立て、調べ、解決する「探究」に夢中になれる子は、自分自身の能力を信じています。この時期に「学ぶって楽しい!」というGrowth Mindset(グロースマインドセット)が育った子は、13歳以降、中等教育(MYP)へと進み、学びのフェーズが「知識の整理・蓄積」に本格的に移行したとき、驚くほどの伸びを見せます。
自ら主体的に取り組める土台がある子は、誰に指示されなくても、自分に必要な知識を自ら取りに行ける。13歳以降に「自律した学習者」になれるかどうかが、その先の学力の差になるんです。
「探究学習ばかりで、基礎的な学力が身に付かないのでは?」これは、全くの誤解です。私たちは、算数や日本語力など、学年相当の学力担保は当然のこととして徹底しています。
例えば、日々の宿題。これは単なる作業ではありません。「自分のやるべきことをどうマネージメントし、時間内に終わらせるか」を訓練する大切な時間と捉えています。
この自己管理能力(セルフマネジメント)こそが、将来どんなに難しい試験やプロジェクトを前にしても、パニックにならずに立ち向かえる「真の学力」の土台になります。
私たちKIAが目指すのは、特定の場所や時代、あるいは「偏差値」という一過性の物差しに囚われない「哲学を理解した全人教育」です。
自分が学んだことが、誰かのためにどう役立つのか?
この知識を使って、社会をどう良くできるのか?
「誰かのために行動できる幸せ」を知っている子は、強いですよ。自分のためだけの勉強はいつか限界が来ますが、「社会と繋がる自分」を意識できる子は、折れないレジリエンス(しなやかな心)と、どこへ行っても通用する知性を持っています。
偏差値は、今の日本の一つの物差しに過ぎません。でも、探究で培った「問いを立てる力」と「自分を律する力」は、世界共通の通貨です。
今、息子さんが探究に意欲的なら、それは最高に幸せな「学びの助走」期間です。
「この子は、自分の人生のハンドルを自分で握れる子になる」。そう信じて、今の「ワクワク」を全力で応援してあげてください。
根っこが深く広く張っていれば、13歳以降に伸びる枝葉は、どんな嵐にも負けない立派なものになりますから。大丈夫、未来を楽しみに、今の息子さんの探究ワクワクを一緒に楽しんで下さいね。
「子育て悩み相談室」にて、新たなご相談を募集いたします。
本コラムでは、学園の専門的な視点を持つマネージャー陣が、保護者の皆様が抱える様々なお悩みや疑問にお答えします。
お子様の成長段階に合わせた以下のようなご相談など、どんな些細なことでも構いません。どうぞお気軽にお寄せください。