安全教育
幼稚園部では、子どもたちが自分も相手も大切な存在であることを理解し、自身の守り方を学ぶことを目的とし、10〜12月にかけて全校で安全教育を行いました。学習内容は文科省の「生命(いのち)の安全教育」や、ユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンスに則り、KIA初等部と連携しています。K2から「同意の重要性」を学び、K3では「いいタッチ・悪いタッチ」や「プライベートパーツ」を学びます。
あるK2クラスでは、まず自分の体を知ることから始めました。言語学習の時間に学んだTricky word(読み方が変則的な単語)の「my」を使って、共有できないもの(自分の手や腕)や共有できるもの(玩具、本、色鉛筆)について話し合いました。また、絵本『Ask First Monkey』を通して自分と友だちの身の守り方を考えます。登場人物の表情や感情を意識し、友だちにハグやくすぐることへの許可を得る練習に楽しみながら取り組みました。子どもたちは自分が触られたら嫌な場所についても発表し、人によって様々な意見があることを知りました。さらにthe Zones of Regulationを使って気持ちを色で表したり、嫌な気持ちや不安になった時には「Stop please. I don’t like it.」と相手にはっきりを言ったり、大人に伝えたりすることにも理解を深めました。
K3の子どもたちは、前年度学んだ「同意の大切さ」について、実に多くのことを覚えています。まずは相手に許可を得てからハイタッチやハグをすること、嫌な時の伝え方について復習します。そして様々な感情に関する学習では、寂しさや戸惑いなどを抱える人の気持ちを想像してみたり、そのような気持ちの人々を見た時に自分たちがどのように感じるかも考えたりしました。また、自分たちの体は一生付き合っていく「宝物」です。水着で隠れる部分は守るべき「プライベートパーツ」であり、何かあれば信頼できる大人にすぐに伝えることも話し合います。子どもたちが考えた信頼できる大人は、両親、先生、お医者さん、おじいちゃんおばあちゃん、警察でした。大切なプライベートパーツの守り方について、真剣に話す先生の話を一生懸命に聞き学んでいた子どもたちの表情が印象的でした。
子どもたちにとって、この安全学習を通して一人ひとりが自他の心や体を大切にし、成長していってくれることを願っています。