高学年以上におすすめの本
”Daily Bread: What Kids Eat Around the World” by Gregg Segal
グローバル化によって子どもたちを取り巻く食文化も変化する中、写真家のグレッグ・シーガル氏は、世界中の子供たちの”Daily Bread”(毎日の食事)を写真集にしました。セガール氏は、調査対象の世界各国の子どもたちが1週間に食べたものの記録をもとに、その子どもが自分の「食べたもの」に囲まれた姿を写真に収めたのです。
“The hand that stirs the pot rules the world.”(鍋をかき混ぜる手が世界を支配する。)という古い格言があり、ここからもジャンクフードがスローフードに勝ることはなく、家庭料理が家族や文化の基盤であり、シチューやカレーの香りにいかに愛と誇りが表現されているかが分かります。伝統的な文化や地域に伝わる家庭料理と、先進国で消費されているパッケージ化された加工食品とを対比させることで、健康と持続可能性についての疑問も提起されています。
井出留美著『SDGsノンフィクション 食品ロス 捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ 』
家業のパン屋を継いだものの大量のパンの廃棄に悩み、「捨てないパン屋」を目指した田村陽至さんの奮闘を描いたノンフィクション作品。
田村さんは、パン屋を立ち上げる前に経験したモンゴルでの生活や、フランスへのパン修行の旅などを通して、パンの作り方だけではなく、生き方や働き方も学び、理想のパン屋の実現に向けて進んでいきます。その姿には、信念を曲げずに探究し続ける心の強さを感じます。
著者の井出留美さんは、食品ロスの専門家として食品ロス削減推進法成立にも協力しました。
※第68回(2022年)青少年読書感想文全国コンクール<小学校高学年の部>課題図書
◎ほりかわ りまこ 作『くだものと木の実いっぱい絵本』
「絵本」と題名についていますが、中身は図鑑レベルの情報量の多さです。
例えば「いちご」のページには、開花期・収穫期、品種、語源、育て方、に留まらず、正岡子規が病床で見舞い品のいちごの美しさを詠んだ「いちごの俳句」まで紹介されていて、「子規にとって〈食べること〉は〈生きること〉につながっていた」との解説があります。このように、ある事柄に関して、多角的に捉えて見開き1ページにまとめる、というのは、レイアウトや情報量など、みなさんの探究学習のアウトプットの参考にもなりそうです。
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