Health&Safety
乳幼児部・幼稚園部
朝夕の涼しい風に秋の気配を感じるようになりました。お布団も洋服も衣替えの季節です。この時期はかぜを引きやすいので、体が冷えてしまわないように下着や上着で体温調節をし気をつけましょう。
【衣服の調整】
10月になると肌寒く感じる朝が増え、ついつい子どもに厚着をさせたくなります。
しかし、外気を肌で直接感じることで自律神経が整い、病気への抵抗力が高まります。”大人より1枚少なめ”を目安に、薄手の衣服を重ねるなどして、じょうずな体温調整を行いましょう。
【知っておきたい 冬の感染症】
寒くなってくると、せきの風邪、おなかの風邪が流行る時期です。
小さな子どもは、体調をうまく伝えられないことがあります。「いつもとちがう」サインを見逃さないようにし、気になることがあれば、朝、登園時に職員にご相談ください。
- インフルエンザ
突然高い熱が出て、数日続きます。食欲がなくなり、関節や筋肉の痛みが出ることも。子どもは「だるい」と言えないことが多く、「元気がない」「機嫌が悪い」といった状態が続きます。通常1週間ほどで回復します。- 登園再開の目安
インフルエンザにかかったら、登園再開には- 熱が出て(発症)から5日たっている
- 熱が下がって(解熱)から3日たっている(幼児・乳幼児)
- 登園再開の目安
- ノロウイルス感染症(ウイルス性胃腸炎)
「流行性嘔吐下痢症」と呼ばれるとおり、激しいおう吐と下痢が起こります。ほとんどの場合1〜3日で回復しますが、脱水症を起こすことがあり、油断は禁物です。- 塩素系消毒薬:
ノロウイルスは感染力が強く、おう吐物で汚れた衣類などの消毒には塩素系消毒剤が必要です。急な症状に備えて、念のため塩素系消毒薬を用意しておくと安心です。
- 塩素系消毒薬:
【非認知力って何?】
「生きる力」
子どもの社会性の背景にあるのは、今注目されている「非認知能力」です。非認知能力はIQテストでは測れない、心の力。生きる力の基礎になるものです。
生まれつきではなく、教育や遊び、毎日の生活を通して身に付く力。0〜3歳までの間に、大きく育ちます。
- やり抜く力
- 忍耐力
- 自己抑制
- 目標への情熱
- 人とかかわる力
- 社交性
- 思いやり
- 敬意
- 感情をコントロールする力
- 自尊心
- 自信
- 楽観性
例えば神戸K3は、前期より「よりよいコミュニティーづくり」を探究し、多様性への理解(一人ひとりが違ってよい)を深めてきました。加えて後期は「歩み寄り(Compromise)」も学んでいます。以下、スポーツデーの練習での様子です。
エピソード 1
「自分の思い通りに物事を進めていいのか?」について、絵本や身近な場面を想定したロールプレーを通して話し合ったりしてきた子どもたち。スポーツデー用の曲決めでは意見がわれました。各自好きな曲は異なります。そこで先生は「(他者が選んだ歌を)嫌なら嫌だといっていいけど、皆にとっていい方法を考えよう」と声をかけます。その結果、1曲は競技中に、もう1曲は入場時に流すことに決定しました。
エピソード 2
練習を始めた当初、人数が多いチームA(6人)が勝つと、もう一方のチームB(5人)の子たちは悔しさから「そっちは6人だからだ」「平等じゃない」いう言葉が出ました。そこで先生は「相手チームを悪く言うと、そのチームが弱くなるのかな」と考えさせます。そうすると、子どもたちから「作戦を立てる」「皆で話し合って勝つ方法を見つける」「相手のしたことをヒントにする」などの意見がでます。その後は相手を非難する言葉はなくなりました。
スポーツデー当日までの過程で、こうして子ども自身が自分の気持ちを切り替え「感情をコントロールする力」や「人と関わる力」「やり抜く力」を身につけていきました。
今後も様々な人とつながって生きていく子どもたちにとって、非認知能力は重要です。応援や協力されるなど、温かい関わりをされた子達は、他者にも温かく接していきます。勝ち負け以上に、自分なりに考え頑張ったことが、自信や自己肯定感を育むことにもつながっていくのです。
K2・K3の安全教育
幼稚園部では、10月〜12月に安全教育に取り組みます。
安全教育の目的は、子どもたちが「自分も身の回りの人も大切な存在であることを理解し、自身の身の守り方を学ぶこと」です。文科省では「生命(いのち)の安全教育」として、5歳から高校生への指導を推奨しています。安全教育を通して、発達に応じた知識や安全な行動や態度を身につけ、心や体を大切にしながら成長してくれることを願っています。
レッスン概要
発達に応じた学習内容→文科省「生命の安全教育(5〜6才向け)」とユネスコ「国際セクシュアリティ教育ガイダンス(5〜8才向け)」に則り、初等部の性教育とも連携
- K2/K3共通:同意を得ることの大切さ 例:「〜してもいい?」と尋ねる
- K3:よいタッチと悪いタッチ、プライベートパーツ、身の守り方
担当講師:日常的にお子さまの状態を把握しているクラス担任がレッスンを実施
指導方法:絵本などを使用し子どもたちに身近な例を通して考える
初等部・中高等部
10月に入りだんだんと涼しくなり、吹く風にも秋らしさを感じるようになってきました。「食欲の秋」と言われるように、美味しいものがたくさん出回る季節です。栄養たっぷりの旬の食べ物を食べて、食事といった毎日の生活習慣に目を向けることを大切にしていきましょう。
10月16日は「世界食料デー」
「世界食料デー」は国連が定めた世界共通の記念日です。世界中の人々が協力しあい、飢餓を解決することを目的に制定されました。
世界では全ての人が十分に食べられるだけの食料は生産されていると言われています。それにもかかわらず、8億人以上、9人に1人が慢性的な栄養不足です。日本人口の約7倍にあたります。そこには様々な背景がありますが、私たちができることについて9月のAssemblyの機会に子どもたちへ呼びかけました。
食品ロスについて
まだ食べられるのに捨てられてしまう食物を「食品ロス」といいます。世界では毎年、食用に生産されている食料の3分の1にあたる13億トンが捨てられています。日本のような先進国では、「食べ残し」や「賞味期限切れ」など消費段階で捨てられている食べ物が多いです。
KIAでも、たくさんの残飯が捨てられています。SDGsの一つにも、「2030年までに世界全体の一人当たりの食料廃棄を半減させる」ことが含まれ、食品ロスは世界全体で大きな問題となっています。
食品ロスが増えると、ごみの処理に多額の費用がかかったり、可燃ごみとして燃やすことでCO2の排出量が増えたり、地球環境の負荷にもつながります。
大切な食べ物を無駄にしない、そして地球の環境を守ためにも、一人ひとりが食品ロスの問題に向き合う必要があります。「もったいない」という思いをもち、少し意識して行動することで食品ロスを減らすことができます。「もったいない」という言葉には、無駄にしてはいけないという意味だけでなく、粗末に扱うことへの罪悪感や物に対する情など、日本特有の精神が含まれています。無理をして食べる必要はありませんが、家の食事でや給食、外食時に感謝の気持ちを持って食事をする大人へと成長してほしいと期待しています。